四季おりおりの話題:5月

5月と言えば日本では初夏の日差しに包まれて若葉の香る季節ですが、四姑娘山の谷間ではやっと唐松などの新芽が出始めたばかりで若葉が香るまでには6月まで待たなくてはなりません。 しかし山麓の村々では新芽が大分大きくなり、農家の庭先や周辺に生える木々に飛来する鳥が増えて賑やかになります。 日本では山奥でしか見られない啄木鳥「Picoides major/Great Spotted Woodpecker」も、四姑娘山では農家の周辺で見られます。 もっとも目に付くのは顔からお腹にかけて赤いマシコ「Carpodacus thura/White-browed Rosefinch」で、道端などで雀と一緒に餌をついばむ姿があちこちで見られ、かなり近づいても逃げません。 このマシコは6月に入るともっと標高が高い谷間でも見掛けるようになります。
Carpodacus thura
(White-browed Rosefinch)

Picoides major
(Great Spotted Woodpecker)

また巣作りの材料を探すカササギの仲間や他の色々な野鳥もだんだんと村や谷間で見かけるようになります。 一方、四姑娘山へ来る途中に通る四姑娘山東側の標高2000m前後の臥龍でも東南アジアやインドで見かける鮮やかな色彩の野鳥を自動車の中から時々見かけるようになります。 これらの野鳥は四姑娘山の村や谷間に本格的な春を運んで来るお使いです。

制作:四姑娘山自然保護区管理局 特別顧問 大川健三