四季おりおりの話題:7月

四姑娘山の7月は夏のシ−ズン中で最も晴れ間が多い月です。ちなみに日本の2つの登山隊(同志社大学と広島山の会)が東南稜と南壁から初登頂したのも7月です。 例年ですと初旬に梅雨開けに似た天候が訪れ、その直後の1週間位は特に花と緑が瑞々しく雪山や青空に映える美しい時期です。
写真は海子溝の源流に在る犀牛海子4400mに映る主峰6250mとヤクの群れです。 犀牛海子は天上からヤクが降り立った伝説から名付けられた美しい湖で、夏の間ヤクが周辺で草を食んだり水浴びしている風景を見ると、その名前に納得させられます。 犀牛海子の上側にはパンダで有名な臥龍へ通じる峠が在り、暑さを逃れるヤクや薬草採り、それに臥龍と交易する土地の人が時々通ります。 また犀牛海子の周辺には緩斜面の草地から急峻な岩場まで様々な地形が有り、そこに春から秋に掛けて青いケシを含む色々な花が咲きます。 色々な花が咲く緩斜面の草地は海子溝の源流全体に広がっていて、それを囲む山の急峻な稜線下に氷河起源の湖が幾つも有ります。 犀牛海子はその一つで、犀牛海子からあちこちにお花畑が広がる海子溝の源流全体を見渡せます。 谷を挟んだ反対側には双海子4600mから流れ出る大きな滝も見えます。
なお犀牛海子に限らず四姑娘山では湖の水質悪化を防ぐため湖畔でのキャンプやゴミ放置を管理局が禁止しています。もし読者の方々がお越しになられた時はご協力をお願いします。

制作:四姑娘山自然保護区管理局 特別顧問 大川健三