四季おりおりの話題:9月

四姑娘山では9月に入るとめっきり寒くなり花や緑が減り灌木や草の紅葉や黄葉が始まります。
その中で大きく育った雪蓮の仲間 Saussurea sp. があちこちで目立つようになります。巴郎山の峠付近ではボンボリトウヒレン(Saussurea obvallata)の仲間の雪蓮が、自動車道路の近くに幾つもの群落を作ります。 一方、写真の雪蓮は標高4800mの険しい山中で撮影しました。 10年前まではこの程度の雪蓮はあちこちで見かけましたが、漢方薬が値上がりして沢山採取されるようになっったため、人が容易に入れる場所では姿を消しました。
またオオヒエンソウの仲間 Delphinium sp. やリンドウの仲間 Gentianaceae もこの時期に目立つようになります。 写真のオオヒエンソウは4000m以上の高地で多く見られますが、紫外線の影響を強く受けるせいか突然変異で真っ白になった花を時々見掛けます。
ところでヒエンソウの名前の由来を李白の詩に登場する有名な美女「趙飛燕」に置く説を聞いた事が有りますか? ロマンチックな由来でオオヒエンソウをより魅力的にする綺麗な説ですが、四川大学生物系の専門家の見解では、実際の由来は形が「飛んでいる燕」に似ている所から来ているそうです。
Saussurea sp.
Delphinium sp.

制作:四姑娘山自然保護区管理局 特別顧問 大川健三