四姑娘山では10月になると周期的に雪が降るようになり、新雪を被った5000mを越える山々が湖に美しく映えます。
そして標高3500m前後の谷間では唐松の黄葉が始まり、一面の黄金色に染まります。
10月は最も彩り鮮やかな季節で、訪れる人の心を昂ぶらせてくれます。
私は長年四姑娘山で撮影していますが、今でもこの季節になると新しい風景を発見する期待に胸を膨らませて撮影に出掛けます。
美しい写真を撮る秘訣を問われる事が時々有りますが、私の場合、場所と時(季節)を決める事に最も多くの努力を費やします。
今では定まった場所に露営してシャッターチャンスを待つことが多いのですが、昔はポーターに撮影機材を担がせて日ノ出前から日没まで山中を歩き廻ったものでした。
思いに適った場所と太陽光線の条件が良い季節と時刻を探すためです。これは風景だけでなく花の写真にも当てはまります。そしてその後は天候待ちです。
複雑に天候が変わる山岳地では晴れても安心できるとは限らず、雲が出ても諦めるとは限りません。
朝、頭上が晴れていてもはるか彼方の東の空に雲が有れば太陽光線が届きません。また山が雲に覆われていても、ほんの少し後に雲間から素晴らしい眺めを見せてくれる時も有るからです。
山の中での撮影は思い掛けない素晴らしい自然の風景との出会いの連続です。
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| 羊満台の湖に映るプニュー5413m周辺の山々
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| 広河原の黄葉とセルデンプー山5592m
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