四季おりおりの話題:11月

四姑娘山では唐松や樺の黄葉が盛りを過ぎましたが、川下のギャロン(ギャルモロン/女王谷)地方では梨や胡桃や柳等の紅葉や黄葉が美しくなります。
以前にもお伝えしましたが、女王谷はヒマラヤ横断山脈を流れる大渡河上流域の古代名称で、隋書等に西方の女国として名を残したシャンシュン国から長い期間に渡って移民が有った場所です。 11月になると、その文化を継承した独特の石造りの民家や高い塔が紅葉や黄葉に映えます。中でも4つの急峻な河川が合流して大渡河になる丹巴が綺麗です。 丹巴は成都から公共バスで9時間位掛かるチベット族の自治州に有ります。数年前からホテルや道路が整備されつつ有り、観光客が急増しています。
朝日を浴びた領主の館跡
双対の石積みの塔
背景は大金川の峡谷。川沿いの斜面に寺や民家が散在します。
見所は沢山有りますが、手軽に車で行ける所を3つだけご紹介します。一つ目は丹巴の町から車で10分位の所に在る梭坡(ソポ)の石塔群で、急斜面に点在する集落の中に在る石塔群を対岸の車道から見晴らせます。 2つ目は車で20分位の所に在る甲居(ジャージ)の集落で、広い緩斜面に散在する集落を山腹を通る車道から見晴らせます。この集落には民宿が彼方此方にあり、食事したり家の中を見学したり民族衣装を着せて貰って記念写真を撮ったりも出来ます。 3つ目は同じく車で20分位の所に在る布科(ブコ)の集落で、急峻な河川と川沿いの平地が入り混じった渓谷に在る集落を、入口付近の車道から見晴らせます。 この布科の集落が在る渓谷は革什扎(ゲシザ)河と呼ばれ、さらに奥に進むと渓谷に沿って美しい紅葉と黄葉が延々と続いています。

制作:四姑娘山自然保護区管理局 特別顧問 大川健三